アンキアライン

ルイジ・ノーノの音楽(主として後期作品)について

Con Luigi Dallapiccola

第三の脊索 1/3

ノーノは音楽を志した最初期の頃から、シェーンベルクやヴェーベルンと並んでダラピッコラのスコアに学び、また、1946年か47年にダラピッコラがマリピエロとともにヴェネツィアのサン・マルコ寺院へと立ち寄った折にあいさつに出向いて以来、長きに亘る親交…

第三の脊索 2/3

破壊的作曲法 作品全体がfa-mi-do#の三音で構成されているとはいっても、Con Luigi Dallapiccolaは打楽器アンサンブルのための音楽なので、使用されている楽器のうち、五線譜上に書き表せるような定まった音高をもつものは限られている。ピッチの正確さとい…

第三の脊索 3/3

水浸しの闇 さてここでちょっとスズメのことを思い浮かべてみましょう。スズメという鳥は、少なくとも東アジアに住んでいる人であれば、おそらく誰の記憶のなかにも住みついている鳥である。 「スズメって鳥を知ってますか?」 「当たり前だよ」 「そうです…